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アルコールとの付き合い方② 適量のアルコールとは?

皆様こんにちは、まきこクリニック院長の船越です。

本日のコラムでは、アルコールとの付き合い方②として「適量のアルコールとは?」について解説いたします。

 

 『20歳の頃にビールコップ1杯で顔が赤くなることがありましたか?』

 

まずアルコールの弊害が起きやすいかどうかは遺伝的要因が大きく関係しています。

アルコールから生成されるアセトアルデヒドが有害物質であり、アセトアルデヒドを酢酸にまで分解するスピードが遅いと弊害が起きやすいのです。このアセトアルデヒドを分解する酵素は『アセトアルデヒド脱水素酵素』と呼ばれており、この酵素の働きは遺伝子によって規定されています。酵素の働きが弱い方は、赤面などの反応が現れやすくなります。

アルコールを飲み慣れると赤面反応は出にくくなりますので、『20歳の頃にビールコップ1杯で顔が赤くなることがありましたか?』という質問が有効です。

顔が赤くなった方は、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱くアルコールの弊害が起きやすいため、飲酒は週1-2回程度にとどめておくのが賢明です。

食道がんについて

 

『安全な飲酒量』はない?

お酒が好きな方には耳が痛い話で申し訳ないのですが、『酒は百薬の長』『少量の飲酒をした方が長寿』という説を覆す、少量であってもアルコールは害になるというデータが最近は多く発表されています。

2024年2月、厚労省は『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を公表しました。このガイドラインでは、『低リスク飲酒の明確な指標を示すことは困難』、つまり『少量だからといって健康に害がないとは言えない』という理由で、適正飲酒量が定められていません。

特に遺伝的にアルコール分解能力が低い人は、飲酒量に応じて病気のリスクが高まると言われておりますので注意が必要です。

食道がんや胃がん、大腸がん、慢性膵炎、アルコール性肝炎、高血圧症、脂質異常症などなど、アルコールで引き起こされる病気の定期チェックはできておられるでしょうか?

              まんがで見る!胃カメラ

 

健康的に飲酒するためにできること

 

・飲酒量と頻度の管理

健康的にアルコールを摂取するためには、飲酒量と飲酒頻度を管理することが重要です。

【飲酒量の目安】

2024年から実施されている健康日本21(第三次)では『節度ある適度な飲酒』は、1日平均純アルコール量で男性は約20グラム程度、女性は約10グラムとされています。

※アルコール20gは、ビール(5%)500ml、日本酒1合、チューハイ(7%)350ml缶1本などに相当

 

【週に数日は「休肝日」を作る】

アルコールは肝臓で分解されますが、飲み過ぎると肝臓に負担がかかります。週に2~3日の休肝日を設けることで、身体をリセットする時間を確保しましょう。

 

【自分の体調に合わせて飲む量を調整】

ストレスが溜まっているときや疲れているときは、アルコールの影響を受けやすくなります。

無理をすることなく、お酒を控える、飲まないことをおすすめします。

 

・空腹時を避けた飲酒習慣

空腹時にアルコールを摂取すると、胃に大きく負担がかかると言われています。

 

【食事と一緒に楽しむ】

アルコールは食事と一緒に摂取することで、胃粘膜への直接的な刺激を軽減できます。特に

たんぱく質(肉、魚、豆腐など)、脂質を含む食品(ナッツ、アボカドなど)は、アルコールの吸収を緩やかにする効果があると言われています。

 

【飲酒前に軽食を摂る】

飲み会や宴会などで空腹の状態が避けられない場合は、ヨーグルトやバナナによって胃の粘膜の保護やエネルギー補給を行い、胃の負担を軽減することは重要です。

 

【アルコールと水を一緒に飲む】

飲酒中に水を一緒に飲むことで、胃のアルコール濃度を薄めることができます。1杯飲むごとに同量の水を摂取することを目安にしましょう。

 

・アルコールによる胃腸トラブルを防ぐコツ

アルコールによる胃腸トラブルを防ぐためには、飲酒習慣を正す必要があります。

 

【アルコールを飲むスピードのコントロール】

アルコールを急速に飲むと、アルコールの吸収が早まり胃腸への負担が大きくなります。1杯をゆっくり30分以上かけて飲むことを心がけましょう。

 

【アルコール度数を確認する】

度数の高いアルコール飲料は、胃腸に与える刺激が強いと言われています。低アルコールの飲料やノンアルコールビールを選ぶことで、身体への負担を軽減するようにしましょう。

 

【飲酒後のケアをする】

飲み過ぎてしまった場合は、胃腸の回復を助けるために、十分な水分補給・消化に優しい食事(お粥やスープなど)の摂取・必要に応じて胃薬の服用を行うことが重要となります。

ご自身で判断することは困難であり、場合によっては病気に発展している可能性もありますので、お早めに医師へご相談ください。

胃腸のお悩み相談

 

■まとめ

飲酒量と頻度を管理し、空腹時を避けた飲酒習慣を心がけることで、アルコールによる胃腸トラブルのリスクを大幅に軽減できます。アルコールとの付き合い方を見直しながら、健康的に楽しむことを目指しましょう。

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニックでは、女性にも男性にも寄り添い、どなたでも安心して相談できる環境を整えております。

当院では、消化器診療・内視鏡検査に特化したクリニックとして、おしりやお腹の良質な検査・内視鏡検査・診察を提供できるよう様々な工夫を行っています。

些細な症状・気になる症状や定期的なチェックを希望される方、お腹で悩まれている方はお気軽にご相談下さい。

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