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逆流性食道炎を予防するために

皆様こんにちは、まきこクリニック院長の船越です。本日のコラムでは、「逆流性食道炎を予防するために」について解説いたします。

 

 逆流性食道炎(GERD)は、胃酸が食道に逆流することで起こる病気です。逆流性食道炎の症状としては、胸焼けや胃酸の逆流、喉の違和感などが挙げられます。逆流性食道炎を予防するためには、日常生活での工夫が非常に重要です。

 

●逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎の発症には、いくつかの要因が関与しています。

 

・食道下部括約筋(LES)の機能低下

食道下部括約筋は食道と胃を分ける筋肉で、通常は胃酸が逆流しないように閉じています。この筋肉が弱まると、胃酸が容易に逆流します。食道下部括約筋の機能低下は加齢や過度のストレス、特定の薬剤の使用によっても引き起こされることがあります。

 

・胃内圧の上昇

過食や肥満により胃内圧が上昇すると、胃酸の逆流が起こりやすくなります。

特に、腹部を締め付ける衣服やベルトの使用も胃内圧を高める原因になります。

 

・胃酸の過剰分泌

ストレス、アルコール、カフェイン、脂っこい食事が胃酸の分泌を促進します。

また、不規則な食事時間や夜間の食事も胃酸分泌を増加させる要因です。

 

・生活習慣の問題

喫煙、食後すぐに横になる習慣、不規則な食事時間が逆流のリスクを高めます。

長時間のデスクワークや座りっぱなしの姿勢も悪影響を及ぼしますと言われています。

 

・特定の薬剤

一部の降圧薬や抗炎症薬はLESを緩めたり胃酸分泌を促進する可能性があります。

病院で処方された薬が逆流性食道炎の原因になることもあるため、医師への相談が重要です。



●逆流性食道炎を予防するために

【食事の見直し】

・ 食事量をコントロールする:1回の食事量を減らし、小分けに食べるようにしましょう。

・刺激物を避ける:脂肪分の多い食品、スパイシーな料理、チョコレート、トマト、柑橘類、炭酸飲料、アルコールなどは控えるようにしてください。

・食事時間に注意:就寝前3時間以内の食事を避けましょう。

・ゆっくり噛む:消化を助けるために、ゆっくり食べることも効果的です。

・温かい食べ物を選ぶ:冷たい食べ物は胃酸分泌を促すため、常温または温かいものを優先するようにしましょう。

 

【適切な体重管理】

・肥満は胃内圧を高めるため、適切な体重を維持することが重要です。バランスの取れた食事と定期的な運動が有効となとなります。減量が必要な場合、医師や栄養士の指導を受けることも効率的です。

・寝る姿勢を工夫する

ベッドの頭側を10~15cm程度高くすることで、胃酸の逆流を防ぐことができます。また、身体の左側を下にして寝ると、胃と食道の位置関係から逆流しにくいと言われています。さらに、仰向けで寝る場合には、やや上体を起こす工夫をすると良いでしょう。

 

【禁煙の推奨】

喫煙は食道下部括約筋の機能を低下させるため、禁煙することで予防効果が期待できます。禁煙のためのサポートプログラムや補助薬を利用するのも効果的です。

 

【ストレス管理】

ストレスは胃酸の分泌を促進します。そのため、リラクゼーション法や趣味の時間を設けることでストレスを軽減しましょう。瞑想や深呼吸などのリラクゼーション法を日常生活に取り入れることもおすすめです。

 

【薬剤の見直し】

胃酸の逆流を悪化させる薬を使用している場合、医師に相談して代替薬を検討することが重要となります。服薬のスケジュールなども症状に応じて医師に相談をしましょう。

 

●日常生活に取り入れやすい予防の工夫

①飲み物に注意

水やハーブティーなど胃に優しい飲み物を選び、コーヒーや炭酸飲料の摂取を控えるようにしましょう。特に食後には胃を刺激しない温かい飲み物を摂ることを心掛けましょう。

 

②軽い運動

ウォーキングやヨガなどの軽い運動は消化を助け、ストレス解消にもつながります。ただし、食後すぐの激しい運動は控えましょう。散歩やストレッチなど、負担の少ない運動を日常的に行うことを心がけましょう。

 

③衣服の選び方

腹部を締め付けるような衣服は胃内圧を高めるため、リラックスした服装を選ぶことをお勧めしています。また、締め付け感の少ない寝間着を選ぶことで睡眠中の負担を軽減できます。

 

④定期的な健康チェック

胃酸の逆流が頻繁に起こる場合、医師の診察を受けて原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。定期的な胃カメラ検査を受けることで、早期発見と適切な治療が重要です。

 

●薬物療法と医療機関の活用

生活習慣の改善だけでは症状が改善しない場合、薬物療法が必要になることがあります。

 

・プロトンポンプ阻害薬(PPI)

胃酸の分泌を抑える効果があり、逆流性食道炎の治療に広く使われています。

・H2受容体拮抗薬

胃酸の分泌を抑制する薬で、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と併用されることもあります。

・制酸薬

胃酸を中和する薬で、一時的な症状の緩和に役立ちます。

 

薬物療法は、医師の診断を受けて適切な治療を受けることが大切です。特に、症状が長期間続く場合には早めの受診をお勧めしています。

 

●逆流性食道炎を予防するためのポイント

 

・食後すぐに横にならない

・腹圧を高める服装や動作を避ける

・適切な体重を維持する

・脂肪分の多い食事を控える

・過食を避ける

・アルコールやカフェインを控える

・喫煙をやめる

・寝る際の頭の位置を高くする

・ストレス管理をする

・刺激物を控える

・規則正しい食生活を心がける

・医師の指導を受ける

 

 

漫画で解説!胃カメラ検査



●当院の胃カメラ検査の特徴

 

①内視鏡専門医による胃カメラ検査

②鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査

③鼻からできる経鼻内視鏡検査

④胃内視鏡検査後、寝たままリカバリールームに移動

⑤胃と大腸の同日検査が可能

⑥検査後もお腹がはりにくい二酸化炭素送気の使用

⑦土曜日・日曜日の胃カメラ検査が可能

 

当院の胃カメラ検査の特徴

 

■まとめ

逆流性食道炎は、生活習慣の見直しや適切な予防策を講じることで、症状を防ぎ、健康的な生活を維持することができます。食事の工夫、適切な体重管理、寝る姿勢の調整、ストレス管理などを実践し、必要に応じて医師の助けを借りることで、逆流性食道炎のリスクを最小限に抑えましょう。

 

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニックでは、女性にも男性にも安心して相談できる環境を整えております。消化器診療・内視鏡検査に特化したクリニックとして、おしりやお腹の良質な検査・内視鏡検査・診察を提供できるよう様々な工夫を行っておりますので、胃もたれや胸やけで悩まれている方、些細な症状・気になる症状や定期的なチェックを希望される方はお気軽にご相談下さい。

 

〒601-1431京都市伏見区石田大受町32-2

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック

 

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